令和2年度 同仁 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 4 15 23 30 105 160 306 403 465 162
当院は地域に根差した第一線の医療を目指し、幅広い年齢を対象にしています。
退院患者延数は1,673名で、年代別で見ると60代~80代が最も多く、全体の70.2%(1,174名)を占めています。
法人内に県内初の在宅介護総合センターを所有し、急性期から慢性期および介護・福祉まで一貫したサービスを提供しております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 74 2.39 2.66 - 63.92
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 28 17.93 13.00 3.57 77.54
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 18 28.00 20.51 27.78 71.17
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 18 11.5 14.60 - 68.00
060130xx9900xx 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 17 6.59 7.71 - 66.94
1番目に多い疾患は大腸ポリープです。内視鏡を用いた治療は体への負担が少なく、1~2日で退院することができます。
2番目に多い疾患は急性腎盂腎炎です。平均年齢が77.54歳と高齢になっているため、全国に比べ平均在院日数が長くなっています。
3番目に多い疾患は誤嚥性肺炎です。高齢者に多く見られ、嚥下(えんげ:食物等を飲み込む事)が上手くいかずに気管に入ってしまう事で発症します。
4番目に多い疾患は2型糖尿病です。当院は糖尿病の治療を得意とする医師が在籍し治療に力を入れている為、前年に比べ糖尿病教育入院が増加しています。
5番目に多い疾患は急性・慢性胃炎です。全国より1日ほど短い平均在院日数になっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 8 10.13 12.87 - 56.50
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 7 7.71 6.41 - 64.29
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 6 7.83 4.86 - 66.67
060035xx97x0xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 - 22.33 14.09 - 69.33
060150xx03xxxx 虫垂炎 - 4.50 5.44 - 32.50
1番目に多い疾患は蜂窩織炎(ほうかしきえん)です。蜂窩織炎とは傷口などから菌が入り、皮膚・皮下組織に感染性の炎症を起こす疾患です。前年度(20.67日)に比べて平均在院日数が半分ほどに短縮しています。
2番目に多い疾患は胆のう結石です。主に腹腔鏡による胆のう摘出術を行っています。
3番目に多い疾患は鼠径(そけい)ヘルニアです。こちらも前年度に比べて平均在院日数が1日ほど短縮しています。
※5人未満の項目は患者数を省略して「-」(ハイフン)で表示しております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 52 34.69 23.36 1.92 73.35
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 31 24.23 21.03 3.23 61.94
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 26 44.58 18.81 3.85 84.77
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 24 46.96 25.09 8.33 83.83
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 16 10.50 13.96 - 36.38
1番目に多い疾患は変形性膝関節症です。主な原因として、加齢に伴う膝関節軟骨のすり減りが挙げられます。肥満等のその他因子も関連し、骨折や靭帯損傷などの後遺症として発症する場合も有ります。
2番目に多い疾患は変形性股関節症です。骨盤の臼蓋(きゅうがい:股関節の受け皿のような部分)と大腿骨の骨頭(先端が丸くなった骨)が変形することで発症します。中高年の女性に起こりやすいですが、生まれつき臼蓋が小さい等で股関節が傷みやすい人(臼蓋形成不全)なら若年でも起こり得ます。子どもの頃にかかった股関節の病気の後遺症として起こることも有ります。
3番目に多い疾患が圧迫骨折です。高齢者に多い為、リハビリに長い期間を要しています。ですが、入院期間短縮の努力により、前年度よりも1日ほど早く退院できるようになっています。
4番目に多い疾患は大腿骨の骨折です。こちらも前年度と比べて1日ほど平均在院日数が短くなっています。
5番目に多い疾患は半月板および十字靭帯の損傷です。スポーツ中に発症する事が多い為、比較的若い人に多いです。当院にはスポーツドクターが在籍しており、スポーツに関連した外傷の治療に注力しています。又、関節鏡を用いた手術を導入しているので手術創が小さく済み、平均在院日数が全国よりも3日ほど短いです。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 65 9.74 5.67 6.15 65.12
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 48 2.48 2.54 2.08 70.75
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 40 13.95 13.00 2.50 65.18
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 36 14.47 8.52 8.33 76.56
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 33 8.33 7.26 30.30 72.73
当院は浦添市で唯一泌尿器科の手術ができる施設の為、近隣の病院・クリニックからの紹介が多いです。
1番目と5番目の疾患は腎臓もしくは尿管(あるいはその両方)の結石症です。治療法の違いにより区別されています。基本的な治療の流れとして、結石による尿の詰まりで炎症が起きている尿管にステントと呼ばれる管を入れます。ステントにより尿の流れが確保される事で、炎症が収まるのを期待します。そのまま一度退院し、数週間後に再び入院してレーザーで結石を砕くなどの手術を行います。結石を砕く手術を行った入院は5番目に該当します。ステントを入れて退院した場合は1番目です。ステントを入れて尿の流れが良くなり、そのまま尿と一緒に結石が排出される事もあります。その場合も1番目に集計しますので件数に差が出ています。
2番目は前立腺の針生検です。前立腺に悪性腫瘍が疑われる場合、針を刺して組織を採取します。採取した組織を調べ、悪性もしくは良性なのかを見極めます。
悪性の場合、腫瘍を取り除く手術やCAB療法(薬で男性ホルモンの働きを抑え、腫瘍の増殖を抑制する療法)を行います。
良性の場合は4番目に該当する前立腺肥大症として治療を行います。
3番目は急性腎盂腎炎です。全国とほぼ同じ平均在院日数になっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 3 - - - 1 1 1 6,7,8
大腸癌 5 3 6 16 3 - 2 -
乳癌 - - - - - - 1 -
肺癌 - - - 1 1 1 1 7,8
肝癌 2 2 - 3 - - 2 -
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大癌の分類別患者数と再発数になっています。
胃癌、大腸癌については消化器内科と外科が連携し早期発見・治療に努めています。
5大癌に分類されていないので上記に記載されていませんが、当院では前立腺癌や膀胱癌など泌尿器科での症例が多いのが特徴です。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 23 61.22 83.52
重症 3 21.33 89.33
超重症 1 16.00 83.00
不明 - - -
成人の市中肺炎(普段通り生活している人がかかる肺炎)は、脱水がひどく酸素や意識が下がる程に重症と判定されます。高齢者ほど重症化しやすいです。
当院では中等症の方を中心に治療を行っています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 4 12.25 78.00 -
その他 11 60.64 84.00 6.67
脳梗塞については他施設で加療を開始し、状態が安定した後にリハビリ目的で入院する患者が多いです。
退院後の日常生活の質向上の為、リハビリを積極的に行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 77 0.62 2.47 1.30 64.30
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 34 16.06 41.06 44.12 83.26
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) 19 0.89 7.05 - 70.47
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 13 8.31 19.31 7.69 80.15
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 11 2.73 11.27 - 82.36
当院には内視鏡センターがある為、内視鏡を用いた手術が多く、患者数のほぼ半数を占めています。1番目と3番目は同じ手術ですが、ポリープの大きさ(2センチ未満・以上)で区別されています。3番目は2センチ以上のポリープを切除した後で慎重な経過観察が必要な為、平均術後日数が少し長めです。
大腸ポリープは健康診断で発見される場合もあります。沖縄は全国に比べて大腸癌の罹患率が高い為、検診や人間ドックで異常が見つかった場合の早期受診が望まれます。
2番目の胃瘻造設術(いろうぞうせつじゅつ)は、介護施設から同手術を依頼されて入院する方も多い為、転院率が高いです。
4番目の抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用植込型カテーテル設置は、化学療法を行う患者に対して行う手術になります。
5番目は胆石の患者さんに行います。胆石で詰まった通り道をステントと呼ばれる管で確保して、自然排石を促します。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 8 1.13 5.50 - 61.00
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 6 1.33 5.50 - 66.67
K7192 結腸切除術(結腸半側切除) - 2.50 18.75 - 71.25
K7181 虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) - 0.50 3.00 - 32.50
K7434 痔核手術(脱肛を含む。)(根治手術(硬化療法(四段階注射法によるもの)を伴わないもの)) - 3.50 5.00 - 60.50
1番目に多い胆嚢(たんのう)摘出術は、患者さんの負担の少ない腹腔鏡手術を行っています。
2番目に多いヘルニア手術は鼠径(そけい:太ももの付け根部分)ヘルニアに、3番目の結腸切除術は大腸癌の治療の為に行われています。
虫垂切除術はほぼ緊急入院になるので術前日数が1日未満になります。

※5件以下の項目は件数を省略して「-」表示をしています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股、膝) 93 2.58 29.94 4.30 70.16
K0462 骨折観血的手術(前腕) 18 0.89 24.11 - 76.89
K0461 骨折観血的手術(大腿) 15 2.33 49.87 - 83.13
K0463 骨折観血的手術(鎖骨) 13 0.77 12.31 - 57.00
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(椎弓形成) 12 2.83 30.92 - 71.58
1番多いのが人工関節置換術で、変形性膝関節症や変形性股関節症に対して行われています。当院には膝関節の専門医と股関節の専門医が在籍し、県内初の手術支援システム「Makoシステム」を導入しています。
2~4番目は骨折に対する手術です。折れた骨同士を金属で繋ぎ、早期回復を促します。前腕や鎖骨と違い、大腿部の骨折は「歩く」行為に直結している為、リハビリに時間が掛かります。よって術後日数が長くなる傾向にあります。
5番目の脊椎固定術、椎弓切除術は県外の専門医と「チーム医療」で取り組んでいます。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 68 1.69 8.35 4.41 64.66
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 63 0.71 5.81 19.05 70.27
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー又は倍周波数レーザーを用いるもの) 33 3.09 13.33 9.09 77.33
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 22 1.45 10.05 9.09 74.32
K773 腎(尿管)悪性腫瘍手術 19 2.47 13.68 5.26 70.84
泌尿器科の症例は尿管結石が多い為、経尿道的尿路結石除去術(TUL)が1番目、経尿道的尿管ステント留置術が2番目と多くなっています。
尿管ステント留置術は尿管が狭くなった患者に対しても行います。転院率が他の症例に比べ高めなのは、術後に介護施設等へ転院する事が多い為です。
3番目はHoLEP(ホーレップ:ホルミウムレーザー前立腺核出術)とも言い、内視鏡の先についたレーザーメスで肥大した前立腺を切除していく手術です。これまで主流な術式であった経尿道的前立腺切除術(TURP)よりも、出血および術後の痛みが少ないのが特徴です。
4番目は膀胱癌。5番目は腎臓(尿管)癌に対する手術です。その他にも前立腺癌などを含め、腎・泌尿器系の癌に対する手術も多く行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 1 0.06
180010 敗血症 同一 3 0.18
異なる 8 0.48
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる 1 0.06
180040 手術・処置等の合併症 同一 4 0.24
異なる 2 0.12
播種性(はしゅせい)血管内凝固症候群はDICとも略され、体の血管の中で血栓(血の塊)が出来易くなったり、容易に出血したりする病気です。敗血症の合併症で起こる場合があります。
敗血症とはレンサ球菌や黄色ブドウ球菌、大腸菌などによる細菌感染症が重症化し全身に広がった状態です。生命の危険を及ぼす疾患です。
真菌(しんきん)とはカビのことです。免疫機能が低下している場合、感染症を引き起こす事があります。
このような合併症は一定の確率で起こりうる為、播種性血管内凝固症候群と真菌感染症が1例づつ発生しています。
更新履歴
2021年9月30日
病院情報を公開しました。