膝の痛みでお悩みの方へ
膝の痛みでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。一緒に最適な治療法を考えていきましょう。
変形性膝関節症とは?

膝の痛みを感じる方は多く、その多くが膝の内側に痛みを訴えます。これは、日本人に多いO脚が原因の一つとされています。O脚の方は膝の内側に体重がかかりやすく、その結果、半月板や軟骨といったクッションが損傷し、痛みが生じます。
レントゲンで異常がないと言われた方へ
中高年の方(特に女性)で、突然膝や膝裏の痛みを感じた場合、半月板が切れている可能性があります。特に「半月板後根断裂」という状態では、クッションの役割を果たす半月板が機能しなくなり、軟骨の損傷が進行しやすくなります。保存療法では改善が難しく、適切な治療が必要になります。
治療法について
内側楔状開大式近位脛骨骨切り術(OWHTO)
この手術は、O脚を改善し膝の負担を軽減する方法です。脛骨(すねの骨)を少し切り開き、脚のバランスを整えることで、痛みのある内側に負担をかけない状態を作ります。

(図はオリンパステルモバイオマテリアル株式会社ホームページより)
骨切り術のメリット
手術後の流れ
膝の状態や生活環境は一人ひとり異なります。当院では、個々に最適な治療法を提案し、患者様と一緒に治療方針を決めていきます。外来では特殊なレントゲンやMRIを用いて膝の状態を詳しく調べます。
どうぞお気軽にご相談ください。
膝周囲の骨切り術について
手術件数:325件・389膝(=例)1膝を1例として以下記載しております。
32件/38膝
79件/85膝
99件/121膝
115件/144膝
上記のように年々手術件数は増加しております。
これはひとえに周囲のクリニックの先生方からのご紹介、そして病院のスタッフの皆様(特にデータ収集を行ってくれているPT、外来スタッフの皆様)、そして何よりアンケートにお答えくださっている患者様の皆様、それぞれの多大なるご協力によってなし得たことだと思っております。いつも感謝の気持でいっぱいです、ありがとうございます。
1年間の結果を以下にまとめました(全て平均値として記載)のでよろしければご一読ください。簡単ですが、術後の機能評価では、術後3ヶ月で8割の方が術前より改善したことがわかりました。
当院では非常に多くの骨切り術を行っています。いくつかの骨切り術を用いてその一人一人にあった手術を選択しながら行っております。しかし多いからこそ、お一人お一人の患者様を大切に、ただ手術をすればよい、ということは決してなく術後もしっかりとフォローをさせていただきます。術後1、3、6、12ヶ月、さらにその後も毎年受診していただくことで検診を継続しています。そのことこそが、私たちが責任をもってその方とその膝とおつきあいさせていただくことだと考えております。2025年度も何卒よろしくお願いいたします。
手術内訳 2021.04~2025.03
平均年齢:60.8歳(35-83)
男性 | 女性 | |
平均身長 | 167.6cm(160.1-182) | 155.1cm(147.3-166.0) |
平均体重 | 77.7kg(54.0-109.7) | 66.9kg(41.6-92.0) |
平均BMI | 27.7(22.2-37.5) | 27.8(18.0-38.6) |
平均入院期間:23日(9-56日)但し大腿骨骨切り・大腿+脛骨骨切りを除く
MOWHTO:195例
H-CWHTO:147例
DLO:28例
DFO:18例
※MOWHTO(=内側開大式高位脛骨骨切り術)
※H-CWHTO(=閉鎖式楔状高位脛骨骨切り術)
※DLO(=大腿骨・脛骨同時骨切り術)
※DFO(=遠位大腿骨骨切り術)
2021-2022 | 2022-2023 | 2023-2024 | |
半月板縫合との組み合わせ | 22/38例 | 71/84例 | 113/122例 |
半月板後根縫合 | 13 | 18 | 19 |
Tie grip suture + Centrallization | 7 | 18 | 17 |
All inside | 1 | 2 | 22 |
Centrallization単独 | 1 | 32 | 70 |
Inside-out | 0 | 1 | 0 |
機能評価
2021-2024
JOA:日本整形外科学会膝痛疾患治療成績判定基準、0-100点で評価
KOOS:日本語版膝機能評価、0-100点で評価
評価時期 | JOA(平均値) | KOOS |
術前(389例) | 70.8 | 49.3 |
術後1ヶ月(337例) | 55.7 | 47.2 |
術後3ヶ月(320例) | 70.4 | 53.4 |
術後6ヶ月(297例) | 79.2 | 61.8 |
術後1年(218例) | 85.8 | 67.6 |
術後2年(43例) | 88.9 | 75.1 |
術後3年(17例) | 90.9 | – |
※平均値では術後3ヶ月で術前よりも機能改善していることがわかります
術後1年:93.8%(105/112)術前のスコア以上に改善した。
仕事・スポーツ復帰
術後仕事復帰までの日数:88日(11-351)(104例)
術後スポーツ復帰までの日数:182日(35−310)(40例)
抜釘までの日数:OWHTOで356日(134−613)(106例)、CWHTOで290日(170−410)(110例)
合併症
2021-2024:
深部感染:2.6%(10/389)全例で追加の洗浄を目的とした手術を行い改善
骨折:0.5%(2/389)ヒンジ骨折を除く骨折2例に対して追加手術を行い、現在経過観察中
以下当院で行われている骨切術の術後レントゲン代表例
早期の変形性膝関節症に対して行われる内側開大式高位脛骨骨切り術

中期〜後期の変形性膝関節症に行われる閉鎖式楔状高位脛骨骨切り術

外反膝(X脚)に行われる遠位大腿骨骨切り
に行われる遠位大腿骨骨切り.png)
高度内反膝(O脚)に行われる大腿骨・脛骨同時骨切り術
に行われる大腿骨・脛骨同時骨切り術.png)
NAHAマラソン完走証
60代男性、両膝の骨切り術術後1年半でフルマラソンを完走され、病院にお手紙をいただきました。
(掲載については本人様より承諾を得ております。)