骨切り術のリハビリテーションについて
手術前日
手術前の確認として、膝の曲げ伸ばしの角度や歩く速さを、理学療法士が検査します。
外来で行っていない場合は、質問表をもちいて確認をします。
術後1日目から
早速リハビリテーションがはじまります!
主治医の指示により、膝の固定の有無や体重のかけられる量が決まります。
今の状態

- 膝は曲げないように注意しましょう。
- 装具は常時着用です。(きつく締めすぎて傷口を圧迫しないようにしましょう)
- 個人差はありますが、手術をしてから数日から1週程度は腫れやすい状態です。
アイシングをしたり、足を少し高くしたりすると楽になることがあります。
【必ず達成すること】
膝を真っすぐに伸ばしましょう。膝が伸びる期間は1ヵ月!
また、手術後は前腿(まえもも)の筋肉が低下しやすいので自主トレーニングを行っていきます。必ずやってほしい自主トレーニングメニューを紹介します。(目標は1000回!)
大腿四頭筋セッティング

1.開始姿勢は猫背にならないように気をつけます。手術した足の膝下にタオルを丸めて入れます。

2.つま先を天井に向けて、膝下に入れたタオルを膝裏でつぶしてみましょう。膝のお皿の上に力こぶが出来ているとしっかり力が入っている証拠です!
SLR(装具はつけたまま行いましょう)

1.仰向けになります。片方の足は膝を曲げます。もう片方は膝をしっかりと伸ばします。
ポイント!:腰を浮かさないようにしましょう。

2.タオルつぶしの時と同様に膝をしっかり伸ばした状態で、曲げている足と同じ高さまで上げます。

3.足は開いたり閉じたり、捻らずにまっすぐ上げるのが理想です。
ポイント!:膝はしっかりと伸ばしましょう。
リハビリでは車いすの練習、トイレ動作練習を行っていきますので、リハビリ以外の時間で自主トレーニングを行っていきましょう。
また、痛みや状態に応じて次に紹介するメニューを追加していきましょう。70~80%の疲労感を感じる回数で行うと効果的です。(最低でも朝、昼、夕10回×3セット!)
膝関節伸張ストレッチ

1.仰向けになり膝を立てます。

2.おへそを覗き込むように頭を上げます。
股関節周囲筋トレーニング

股関節伸展・・・膝をしっかりと伸ばします。踵を天井に向けたまま足を挙げましょう。

股関節外転・・・横向きになり、足を伸ばしたまま足を開きましょう。

股関節内転・・・写真の姿勢から、下の足を上に挙げていきましょう。
ヒップリフト

体幹が一直線になるようにお尻を持ち上げます。

膝伸展0°の期間:足元に大きめのクッション置く

膝伸展0°の期間:足元に大きめのクッション置く
術後8~14日目
・リハビリで歩行練習を行っていきます。
・レベルに合わせて段差や階段練習も行っていきます。
【歩き方】
・杖を使用しない場合、松葉杖、T字杖を使用する場合でも、手術した足が外へ開かない様に気を付けましょう。
良い例

悪い例

【階段】
・主治医の許可がでるまで、昇り降りする時は手術した足を軸足にしない様に気を付けましょう。
昇るとき
①健側②患側③松葉杖
の順番で上がります。

降りるとき
①松葉杖②患側③健側
の順番で下ります。

術後15~29日目
今の状態
・リハビリ時以外は装具固定です。
・膝関節可動域0°~90まで可能です。
・歩行レベルに合わせて歩行補助具を選択します。(松葉杖→T字杖)
【必ず達成すること】
・膝まっすぐ伸ばします!
・膝の曲げる角度は90°を目指しましょう。
パテラモビライゼーション

1.リラックスし、膝を伸ばして座ります。
2.膝のお皿を上下左右に動かしましょう。
3.3秒×2方向を10回行いましょう。
・膝関節を90°に曲げた状態でも上下に動くようなってきたら良くなっている証拠です。
ヒールスライド

1.ももの裏の内側が働きやすいように、膝と足先を少しだけ内側に向けます。

2.1の姿勢から膝の曲げ伸ばしをします。ももの内側の筋肉が使われているのをイメージしましょう。
朝、昼、夕に10回3セットずつ行いましょう。

3.曲げていく際に膝が足先よりも内側に倒れないように気を付けましょう!
足パカ運動

1.膝・股関節を90°に曲げます。

2.膝と踵が一直線にして、床と平行になるように足を開いたり閉じたりを繰り返します。
腰が前後に倒れないようにしましょう!
朝、昼、夕に10回3セットずつ行いましょう。
退院について
およそ手術後2~4週間程度で、工夫しながらでも日常生活が可能になれば、退院可能になります。
退院後のリハビリテーションは、当院の外来リハビリテーションで継続していきます。
退院後、気を付けることについて
・運動後に熱感、腫れがある場合はアイシングをしましょう。
・主治医の許可がでるまで、膝付きは避けてください。
・日常生活では十分に気を付けましょう。
※濡れている床や階段、段差は通常より滑りやすいため転ばないように注意しましょう。
定期検査
手術後は1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、毎年、整形外来の診察やレントゲンなどの検査があります。
プレート抜釘
手術内容や術後の経過によって、多少の変動はありますが、およそ半年から1年後にプレート抜釘の手術があります。
最後に
わからないことや不安なことがあれば遠慮せずに、 医師や担当の理学療法士に相談しましょう!

美しい膝人生を送りましょう!